チューリップの持ち込みについて

 オランダといえば,チューリップ(de tulp)が有名です。アムステルダムでは,トラムの1, 2, または5系統が停車する「Koninginplein」の近くに位置するシンゲルの花市(Single Bloemen Markt)や郊外のアールスメールに位置する花市場(Bloemenveiling Aalsmeer)がとても人気です。驚くことに,取り扱いについては,チューリップよりも,バラの方が多いそうです。「チューリップをおみやげにしよう!」と考えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか?ここでは,日本への持ち込みについていくつかの注意事項を明記したいと思います。


● チューリップは日本に持ち込めるのか?

 基本的に,海外から日本へ活きた植物(切り花,種子,球根など)を持ち込むのは厳しいと思っている方が安全です。検疫なしで持ち込めるもの,検疫すれば持ち込めるもの,持ち込めないものの3パターンです。土が付着した植物は検疫の対象にすらならず,100% NGです。植物検疫を受ける際には,入国審査後,税関検査の前に輸入植物検査(植物検疫カウンター)に申し出る必要があります。私が過去にオランダからチューリップの球根を持ち込んだ際は,空港の植物検疫カウンターで確認をお願いし,無事に持ち込むことができました。しかし,近年は検疫がさらに厳しくなり,植物を日本へ持ち込む際は,「検疫証明書(Phytosanitary certificate)」が必要になったようです。検査証明書は,輸出国(持ち出す国)で取得する必要があります。この輸出国政府機関によって発行された証明書がなければ,持ち込みができず破棄されます。詳細は,農林水産省の植物防疫所のホームページをご覧ください。空港やお店等(特に観光客向けのお土産屋さん)では,いかにも日本への持ち込みが大丈夫のような説明が書いてあるものもありますが,あまり信用しない方が良いと思います。持ち出す国,持ち込む国によってルールが異なりますので,必ず公式ホームページで確認されることを強くお勧めします。検疫についての疑問については,メール等で質問をすると丁寧に返信してくださいました。オランダでの証明書の発行方法については,ホームページで調べることができます。


● 生花でなければ日本に持ち込める?

 完全に別件にはなりますが,以前に米国から日本へのプリザーブドフラワーの持ち込みについて,やり取りをしたことがありますので,記録のためにここに記しておこうと思います。

 横浜植物検疫所成田支所(第2PTB旅客検疫)担当者様からのお話によると,日本では高度な加工がなされた植物は検疫の対象からは外れているそうです。この「高度に加工された」の判断は難しいところですが,詳細な製造工程表がわかる場合は検疫対象か否かをお調べいただけるとのことでした。しかし,加工過程が不明な場合や,加工が不十分な場合は,米国の植物防疫機関から検疫証明書を発行していただき,帰国後に日本の検疫カウンターに提出する必要があります。また,加工が不完全で生花と区別がつかないプリザーブドフラワーについては,特別な証明書が必要だそうです。植物の種類による制限もあり,例えば米国では,ロサ・カニア(ローズヒップ)は持ち込めません。

 また,米国(Export Certification Specialist)の方にも証明書の発行について問い合わせを行いました。花が自然な外見を保つためにある種の防腐剤または塗料が使用されている場合には,「Phytosanitary Certificate for Processed Plant Products (PPQ 578)」を発行していただけるようです。この証明書により,有害な害虫や付着しない程度に加工されていることが示されます。しかし,花が十分加工されていない場合は,また別の証明書(PPQ 577)の発行が必要になり,そのためには花に害虫が付着していないかを確認するための検査を行う必要があるようです。証明書の発行には$ 61.00(2019年4月現在)かかるようです。加工の詳細が不明で,検疫が必要となる場合には,簡単には持ち込めないのが現状です。状況は日々変化してくと思いますので,最新の情報を確認して対処するしかありません。